「カヌスラで海そなえ!」
を体験!

2025.07.28

コラム

6月18日から、カヌー・スラロームセンターでの水難事故防止教育プログラム「カヌスラで海そなえ!」がはじまりました!

このプログラムでは、海の離岸流や川の急流に近い流れを人工的に作り出し、安全に流される体験をすることで、溺れたときにどうなるか、どうすると助かる/助けることができるのかを、身をもって学ぶことができます。

海のそなえプロジェクト、担当者としては人に勧めるばかりで自分が体験しないというわけにはいきません!というわけで、開催第1日目、指導者向けのプログラムに参加してきました。

01. レクチャー

カヌー・スラロームセンターは東京オリンピックの際の会場として整備された施設で、ポンプを使って人工的に、海や川など流れのある環境を再現できます。
つまり、安全を確保しながら自然の中で起こる流れを体験し、溺れたときの対処を身体で学ぶことができるのです。

まずは簡単なレクチャーと、静水域でライフジャケットを着て浮くことになれるプログラムから。

単純に浮いてみたり、重心を動かしてあおむけになったりうつぶせになったりして感覚を掴みます。
その後は手を動かして左右に動いてみたり、イカ泳ぎをしたりと、水の中で体をコントロールして、動くことにもなれていきます。

みなさんうまく動けるようになったところで、船に乗っていた複数名で投げ出された時の練習として輪になる練習や、電車ごっこのように一直線になって波や流れを交わす態勢の練習もしました。これで準備万端!

02. 川のプログラム

川のプログラムからスタート。
まずは川の流れに逆らい、その後ラッコのポーズ(頭を上流に向けて手を開き、つま先が浮くぐらいの感じで漂う)で流され、長いものやロープにつかまって陸に戻るという内容です。

川の流れに逆らってみましょう……ということですが、これがまず逆らえたものではありません。
「子供の時に水泳やってました」程度では、進まない進まない。

ラッコのポーズでも、複雑な水流に乗っているとなかなか思うような方向に進めません。
安定した陸上から投げられたロープや棒を掴むと岸に寄っていけるのは、仕組みがわかっていても不思議な感覚で、ほっと安心しました。

ロープは水を吸うと締め付けがきつくなって抜けなくなるので、助ける側も助けられる側も絶対に手に巻かない、
助けられる側はロープをつかめればいいので端っこではなく途中を掴むので全く問題ないというのも、実際に体験しながら伺ってなるほどと思ったポイントでした。

03. 流れる川を直線に泳いで渡るプログラム

次いで、流れる川を直線に泳いで渡るプログラム。
考えてみれば当たり前ですが、まっすぐ泳ぐと下流に曲がってしまうので、流れに向かって斜めに泳ぎます。

流れの速さに応じて少しずつ角度や泳ぐ勢いを変えるコツなどは、体験しないとわからないなあと思いました。

04. 離岸流の対処を知るプログラム

そして、離岸流の対処を知るプログラム。

今回は落水を想定して背中から水中に入り、1回目は離岸流に流されてみる、2回目は離岸流に対して真横にイカ泳ぎ()という泳ぎ方で抜ける、3回目は離岸流に対抗して泳いでみるという3パターンを体験しました。

1回目 離岸流に流されてみる体験

秒速2m。かなりの速さです。流されるときには、これが体験だとわかっているので冷静に対処できましたが、何も知らず海でこんな流れに乗ってしまったら、パニックになってしまうでしょう。

また実際にあらがって泳いでみて、とてもではないですが勝てないということもよくわかりました。どんなに頑張っても前に進まず、体力ばかり消費してしまうことを身をもって学びました。

2回目 離岸流に対して
真横にイカ泳ぎ()をする体験

川もそうですが、流されてしまったときにはいかに長時間耐えられるかが勝負。
体力を残すためには必死にならずむしろゆったり泳ぐというのは、考えてみると当たり前なのですが、水泳の授業などで「泳ぐ」ことをインプットされてきたので目から鱗でした。

3回目 離岸流に対抗して泳いでみる体験

海のそなえ、やはり現場を体験したり見たりすることで学べることがたくさんあります。カヌー・スラロームセンターでのプログラムはまだ申込可能ですので、ぜひご参加ください!

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