NEWS お知らせ
2025.06.04
プレスリリース
1,000人のヒヤリハット調査からわかったおぼれの予兆を可視化
「これで、おぼれた。『おぼれ100』」を公開
水難事故対策を“自分ごと”に
日本財団 海のそなえプロジェクトは、水難事故の予防情報コンテンツとして、「これで、おぼれた。『おぼれ100』」を本日より公式サイトならびにInstagramにて公開いたします。「これで、おぼれた。『おぼれ100』」は、人々に水難事故対策の自分ごと化を促し、社会全体でおぼれ経験データの共創を目指すためのコンテンツの提案です。
公式サイト等で公開する本コンテンツは、メディア、教育関係者、自治体関係者等どなたでもご活用いただけます。水難事故防止啓発に幅広く使っていただくことを想定しています。
本取り組みは次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。

コンテンツ制作の経緯
2024年度の調査から、これまで公的データでは「どこで、何人が、どんな状況で溺れたか」という目に見えるデータは取られていましたが、「事故未満の体験」に関するデータが集められてこなかったということに気づきました。また、本プロジェクトでは「溺れ」そのものを再定義し、軽度な溺れと重度な溺れに分けて、取得されたデータを分析。溺れ経験のある1,000人を対象にアンケート調査を実施し、溺れた際の状況を集めました。
そして、回答に基づき、溺れにつながるヒヤリハット=溺れに至ったシーンやシチュエーションを整理。「実際に溺れて生き残った人」にその経験を尋ねることで、溺れの具体的な要因を分析しました。
これは「ハインリッヒの法則」をヒントに行ったもので、1つの重大事故の背後には、29件の軽微な事故と、300件の「ヒヤリハット」があるとされています。(参考:https://anzeninfo.mhlw.go.jp/yougo/yougo24_1.html)
コンテンツの目的
「これで、おぼれた。『おぼれ100』」を通じて、以下の3つのことを達成できればと考えています。
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①溺れにいたる「入口」の可視化
→溺れる前の状況や行動を示し、溺れへの理解と共感を深める -
②「自分ごと」としての気づき促進
→「自分もやってたかも」という共感から、危険の予兆を認識・回避する発想につなげる -
③データの共創と共助の意識向上
→社会で溺れ体験の収集と共有する仕組みを作り、「そなえはみんなで作る」意識を広げるきっかけに
一方的な啓発ではなく、双方向のコミュニケーションを狙い、人々が自身の溺れ経験を発信・共有していくことで、「そなえはみんなで作る」という社会を目指すための第一歩となれば、と期待しています。
ヒヤリハット調査概要
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調査期間:2024年8月16日~20日
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調査手法:インターネット調査
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調査対象者:自分もしくは同行者が海で溺れそうになった経験がある方
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調査エリア:全国
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回収サンプル数:1,000サンプル
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調査項目:
Q1.溺れたときの状況
Q2.溺れそうになった人の年齢
Q3.溺れの経緯 ※自由記述
Q4.溺れの原因
Q5.浮き具の有無
<団体概要>

海のそなえプロジェクト
うみらい環境財団、日本ライフセービング協会、日本水難救済会の3者が推進し、日本財団が企画・統括する、日本初※のコンソーシアム型プロジェクト。3カ年計画で「海のそなえ」の新しい常識の浸透を図ることを目標としています。
毎年発生する水難事故の減少を目指して既存の対策の常識を疑い、さまざまな調査により蓄積した科学的データと事実に基づいた新たな情報発信や教育プログラム、双方向でのコミュニケーションの開発等を通じて、国民が自ら共感し主体的に水難予防の意識を醸成することを目的として活動しています。
複数団体による水難事故防止のためのプロジェクトにおいて

日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
公式サイト